前回の記事では、キャリア理論の学習を通してライフキャリア理論と出会い、家庭を築きたい想いが芽生え、婚活を経て結婚したエピソードをご紹介しました。
今回は、育休を取得したきっかけの後半編をご紹介します。
第一子の誕生をきっかけに、仕事や家庭への向き合い方が大きく変化
妻との出会いから10か月後に結婚、その2年後に第一子(長女)が誕生しました。
私たち夫婦は共働きで、ともに正社員として働いていましたが、この時は妻が一年間の育休を取得し、夫である私は育休を取得しませんでした。
第一子誕生当時、臨月を迎えていた妻が破水して入院したとき、私はすぐに有給休暇を取得し、出産に立ち会うことに。
出産は非常に難航し、陣痛が長引いて分娩室でもなかなか赤ちゃんが生まれない状況でした。
あと少しで帝王切開になるところで、ようやく第一子が誕生しました。
その時、男としてできることは、妻の背中をさすったり、無事を祈ったりすることだけでした。
妻のたくましさを改めて感じ、私には経験できない痛みを乗り越えての出産に感動しました。
出産直後の分娩室は、血が苦手な方には少し刺激的かもしれませんが、それも含めて本当に尊敬と感謝の気持ちでいっぱいになりました。
第一子誕生時に育休を取得しなかった理由
振り返ると、第一子誕生時に私も育休を取得すればよかったのですが、取得に至らなかった理由がいくつかありました。
- 第一子と同じタイミングで昇進を伴う異動があり、職場に対して申し訳ない気持ちになった
- 本当の育児の大変さを実感していなかった
- 妻が育休を取得しているので、なんとかなるだろうと思っていた
- 子どもの成長にゼロからじっくりと関わろうという意識が薄かった
- 育児休業の制度を正しく理解していなかった
このような理由から、夫婦で育休を取得するという方向へ意識が向かなかったように思います。
定時退社を目指し、プチ働き方改革を実行
育休は取得しなかったものの、ライフキャリア重視の考え方は変わりませんでした。
定時退社を目指し、限られた時間で最大の成果を出すことを目標に仕事に注力。
当時の職場ではコスト削減の一環で残業抑制が進められており、定時退社が推奨されていたため、私にとっては追い風でした。
子どもの寝顔ではなく、起きている顔を早く見たいという思いから、定時から逆算してタスクを設定し、なにがなんでも定時に帰る意気込みで仕事に臨んでいました。
その結果、大半の日は定時に帰ることができました。
自分の時間がたっぷりあった独身時代は、飲み会や合コン以外の日は仕事が一段落したら帰るという考え方でした。
しかし、家庭を持つようになり、自分の時間が家族の時間に変わったことで、「定時に仕事を終わらせる」「家事育児をサポートする」「家族との時間を楽しむ」という考え方に変わりました。
このような考え方に変わり、実践できたことができたのは、私にとって大きな収穫でした。
特に、職場での仕事や家事育児の両方の場面において、重要度と緊急度を客観的に見られるようになりました。
それにより、それまで当たり前のように取り組んでいたコストパフォーマンスの低い仕事を削るなどして、プチ働き方改革を実行しました。
このように、家族との時間を重視する働き方を実践することで、私自身にとってのライフスタイルが大きく変わりました。
育児の大変さと重要性を夫婦で実感
妻の育児疲れと子どもの寝かしつけ
こうして、ほぼ毎日定時に仕事を早く終わらせて自宅に帰ると、妻が出迎えてくれました。
第一子誕生後しばらくは、育休中の妻に家事や育児を任せっきりにしていたため、妻の育児疲れが顕著になっていました。
妻は完全母乳育児をしており、日中も夜間も3時間ごとに授乳を行っていました。
乳児は、胃が未発達で、容量も少ないため3時間ごとに授乳することが必要です。
また、ミルクを使用しない完全母乳育児の場合は、授乳は妻一人で行うことになります。
そのため、慢性的な睡眠不足に。
その上、時間をかけて子どもの寝かしつけを行っている妻の様子を見て、私が代わりに寝かしつけを行うことにしました。
しかし、これが大変。
抱っこで揺らしたほうが眠りやすい子だったため、腕の中でゆっくりと揺らしながら眠りへと誘います。
眠った様子を確認してベッドに置くのですが、ベッドと子どもの間から手を抜いた瞬間、かわいい寝顔が苦渋の表情に変わり、ウワーッと泣き出し、再び最初からやり直すこと数回。
この寝かしつけに1時間以上かかったこともしばしばありました。
寝かしつけに成功した時は、ホッとしたと同時に「お願いだからそのまま眠ってますように」と祈り、後ずさりでその場を去りました。
残念ながら祈りが叶わなかったこともありましたが(笑)
困った時は自分だけで抱えず相談を
この寝かしつけはあくまで一例になりますが、初心者の育児はドタバタの連続の毎日です。
困った時には、夫婦だけで問題を抱えずにお互いの親や友人に相談することもありましたが、私はどちらかというと人に頼らず自分でやっていこうとする性格のため、相談する機会は少なかったように思えます。
しかし、いま思えば、もっと多くの人に相談しておけばよかったと感じています。
これは日々の仕事にも通ずるのではないでしょうか。
そんな私への自戒を込めて、このような記事も作成しましたので、よかったらご覧ください。
第二子誕生時は育休取得を決断
もしかすると、この記事を読まれた方の中には「なんだそんなことで」と思われる人もいることでしょう。
でも、当時の私たち家族はこれでも一杯いっぱいでした。
このように日々の育児が大変だった一方、日に日に子どもが色々なことができるようになっていくのを夫婦で目の当たりにして、喜びを感じるとともに、子どもの成長にゼロから関わっていくことの重要性も実感しました。
これらの経験を通して、第二子を授かることがあれば、育児休業を取得しようと考えるようになりました。
ここまでお付き合いいただき、ありがとうございました。次回に続きます。
なお、本記事を執筆したキャリアリカバーでは、男性育休6か月の経験を持つ国家資格キャリアコンサルタントが、仕事と家庭の両立、育休とキャリア形成、メンタルケアとキャリア形成などでお困りの方を対象としたキャリアカウンセリングをお受けしています。
関心のある方は、「人生が好転、自信がつくキャリアカウンセリング」のホームページもご覧ください。